<教えて!たなえり先生>#33-ワンピ襦袢の着かた
こんにちは、多奈ゑりきもの教室のたなえりです。今日は前回のコラムの最後にご紹介したキモノモダンの〝ワンピ襦袢〟の着かたについてのお話です。
ワンピ襦袢とは
ワンピ襦袢とは2020年2月にキモノモダンから発売された、着物下着のあらゆる悩みを解決する、オールイン・ワンタイプの襦袢のこと。
面倒な半衿付けが不要だったり、筒袖なので着物との裄や袖丈が合わなくてもさっと着られたり、普段着着物にぴったりの仕様。今ではいろいろな色、素材のバリエーションがあり、お好みに合わせて選べるようになっています。
今回はこのワンピ襦袢をうまく着こなすコツをいくつかご紹介していきます。
ワンピ襦袢の基本の着かた
前述の特徴を一つずつ確認しながらワンピ襦袢を着る準備をしていきます。まずは半衿!衿芯が直接入るようになっているので、めんどうな半衿付けをしなくていいのが大きなポイント!
もちろん上からご自分の好きな半衿を付けることもできます。
衣紋がより抜けやすい
現在販売されているワンピ襦袢は、繰り越し寸法が一般的なサイズより少し多めに設定してあるので、肩にのせただけでも比較的衣紋が抜けやすい寸法に設定されています。(繰り越しの一般的な寸法は8分≒3cmくらいですが、ワンピ襦袢は1寸≒3.8cmに設定)
抜いた衣紋は衣紋抜きループで固定
さらに背中に本体と同素材で衣紋抜きループが付いているので、このループに腰紐やコーリンベルトを通すことによって衣紋部分が固定しやすくなっています。
着かたのコツ
衣紋が詰まる時
衣紋が詰まってしまう原因はいくつかありますが、まずは衣紋を抜いた時に肩の布も後ろ側に送られているかどうかチェックしてみてください。写真③のように肩の前に布がたるんでいたら、すぐに衣紋が前に戻ってきてしまいます。
しっかり肩の布も後ろに送って、衿を前に引っ張っても戻ってこないくらいしっかりと抜くのがポイントです。
腰紐を使う場合
どうしても衣紋が安定しない場合は、腰紐やコーリンベルトと衣紋抜きの組み合わせで、ある程度安定させることができます。
腰紐を使って衣紋を固定する場合は、予め衣紋抜きループに腰紐を通して(①)さらに身八つ口から前に通しておき(②)、衣紋の抜き加減が決まったら前で結んでおきます。(③)その後、衿合わせをして別の腰紐で衿を固定します。(④)
コーリンベルトを使う場合
コーリンベルトを使う場合も、予め衣紋抜きループにコーリンベルトを通しておき(①)、衣紋を抜いた後、それぞれの衿を合わせアンダーバストから指1〜2本下の位置に金具をとめていきます。(②、④)
衿が緩む(開く)時
衿が緩む原因もいくつかありますが、バストトップがしっかりと覆われるいるかがポイントです。襦袢の衿でバストが覆われていないと、前の衿は開きやすくなります。
それでも開きやすい場合は、前述のようにコーリンベルトを使うか、衿の先に紐を付けて横方向に開かないようにするという方法もあります。あと身体に対して身幅の狭い襦袢だと衣紋が抜きにくかったり、衿が開きやすかったりするので、自分の身体にあった襦袢を選ぶのもポイントです!
ちなみに私はバチ衿の襦袢にバイアス衿芯をつけて、衿幅を広くして(広バチ衿にリメイク)衿が開きにくくなるようにしています。(今回写真で登場したマイワンピ襦袢も広バチ衿にカスタマイズしています。)
多奈ゑりきもの教室Instagram
また、別売りのうそつき袖を付けると通常の長襦袢になるので、カスタマイズしてオリジナルの襦袢にしてみてはいかがでしょうか?
実際に付けたワンピ襦袢がこちら