<アフターコロナの働き方> 中小企業必見!リモートワーク化は難しい?!その壁と問題点。

幸い・・・と言ったらよいのか、

このコロナ禍による非常事態宣言の後、弊社では実に90%の業務を比較的スムーズに、リモートワーク化することに成功している。残りの10%は、宅急便や郵便物の受け取りなど、会社にいないとどうしても賄えない業務のみ、である。

ちなみに弊社の業務は、アパレルの企画・制作・ネット販売である。ネット業務が主ではあるが、お客様からの問い合わせ、発送業務、商品の管理、など去年までは会社でしかできない業務ばかりであった。

ではなぜ、リモートワーク化がスムーズにいったのか。

好きな時に、好きな場所で仕事というライフスタイルへの憧れ。

大きな要因は、元々ずっと前から自分自身が「リモートワーク」で充実した人生を送りたいと願っていたからだ。

好きな時に好きな場所で好きな仕事をする。

このスタイルを実践している人を間近に見ていたせいもあり、自分自身もそのようなスタイルで生活をしたいと、だいぶ前から少しづつ準備してきたのだ。

が、しかし・・・・

やりたくてもやれない、リモート化の壁。

心に強く「リモートワーク」という青写真を描きつつ、何年も準備をしていたにも関わらず、実際はなかなか実践できなかったのである。

このコロナをきっかけに弊社ではリモート化にほぼ完全移行ができた訳なのであるが、実際、このコロナ禍、非常事態宣言があったから、といって何も準備をしてない会社がいきなり完全な「リモートワーク化」は難しい、と私自身の経験から思うのである。

中小企業がリモートワークを行うにあたって、まず直面するであろう問題はというと

1・ITインフラが整っていない

さぁ、リーモート!

となった時、まず社員がスマホしか持っていない場合も多い。ひどい時はネット環境が整っていない人も。

セキュリティーの観点から、ノートパソコンは貸与が望ましいが、全員分のパソコンが揃っていない場合もある。そしてそのすべてに必要なソフトやツールが会社にいるのと問題なく使える状態になっているか、というのもポイントである。

会社のパソコンだと、担当者が自分の業務だけに特化した仕様にしてしまっていることも多いため、パソコンが変わると自分のやりたい作業ができるツールが入っていない、いつも参考にしている資料が入っていない、クラウドも複数にわたるとそれぞれのパスワードを把握しておらず、いちいち調べて・・・などということも起こりうるのである。

パソコンだけではなく、スマホ。

フリーランスであればそうも言っていられないと思うのだが、プライベートで仕事の電話をしたくない、という社員も多い。

一番肝要なのは、電話以外の社員同士のコミュニケーションツールの導入。LINEは普及率も高く、みんなも使い慣れているので一番スムーズに移行できるわけだが、プライベートとの境目がつかなくなり仕事に使いたくない人も多いため、あまりおすすめしない。サイボウズの提供しているkintonや、チャットワーク、slackなど、コミュニケーションをとるツールは必須である。

また、リモートワークに必要なシステムを導入するにあたって、社風に合うかどうか、実際に使いこなせるのかどうか、を試験的に試す期間も必要なため、ひとまずよさそうだと思われるものを試してみる、というトライアンドエラーを繰り返す必要も生じてくるので、本格稼働するのに3-6ヶ月ほど時間を要する。

そして、いきなり高額なインフラ投資はおすすめしない。

実際、結構なリサーチを重ねてよさそうだと導入してみたものの、使い勝手が悪かったりわかりづらかったり、社内で浸透せず他社のシステムに変更したことも何度もあるので、まずは無料版や体験版を試してから本格導入、がベストである。

2・ITに詳しい人間が社内にいない

「リモートワーク」を意識していなかった会社には、以外にこの悩みも少なくない。社長自身が苦手、という場合も。

中小企業は仕方がないので、社長自身がが率先して着手するのがベストである。もしくは右腕に当たる人間でその分野に抵抗がない人材にツールの検討、導入を任せるのが良いかと思う。どういうツールやシステムを導入するのがよいかは、また別のコラムで書いていきたいと思う。

3・アナログ人間の抵抗。

そして意外にも。

最大の難関は「IT」ではなく、社員の抵抗なのである。

誰しも慣れた環境ややり方を、新しいものに移行するのには「苦痛」が伴う。面倒臭いという意識もある。その中で推し進めていくには、彼らにどういうメリットがあるのか、を根気強く伝え、そして親身になって共に慣れ親しんで行く、という思いやりも必要だろう。

4・「普通はこうだ」という常識に凝り固まっている。

まず、リモートを行うにあたって、見直すべき原点とも言えるのがこれ。

これまで当たり前に会社で行なっていた業務をすべて!徹底的に疑ってかかるべきだ。「本当に会社でないとできないのか」「どうやったら会社に出てこなくても回せるか」本気で見直していかなければならない。

極端な例ではあるが、会社にかかってきた電話対応をどうしようか、と考えた時「電話って会社じゃないと受けられないの?」「電話じゃなくてもよくない?」と思考を変換してみる。実際、電話は使えません、となった場合下記のような方法が考えられる。

・電話代行業に依頼する(秘書サービス)

・転送電話を使い、携帯を担当スタッフに渡す

・お客様に連絡はメールやLINEでとお願いする(電話対応不可)

・FAXは固定ではなくeFaxを利用する

・Slack、チャットワークなどのチャットツールを導入する

・zoom、スカイプなどのビデオ会議用システムを導入する

・・・etc・・・

考えてみるだけでも、わざわざ電話でなくてもよい方法はいくらでもある。あとは社風にあったもの、社員が抵抗なく使えるものに切り替えていけばいいだろう。

以上、ざっくりではあるが、リモートワーク導入の初期段階に存在する問題点はこの4つの問題が挙げられるのではないかと思う。

これまで会社に出社して仕事をする、というスタイルだった会社がいきなりリモートに移行するには様々な壁が存在し、それを一つづつ解決していかなければならない。

では、それをどう実践していくのか。

次回はその具体的な方法を弊社の事例で探っていきたいと思う。

>>次回 <コロナに立ち向かう>中小企業必見!リモートワーク化の進め方と具体的&実践的な方法。

株式会社WITH THE MODERN 代表取締役 濱田友紀子