<教えて!たなえり先生>#46-伊勢木綿を徹底解説

こんにちは、多奈ゑりきもの教室のたなえりです。今日はカラフルな縞や格子がとてもかわいい伊勢木綿を徹底解説します。

伊勢木綿とは

伊勢木綿は三重県の伊勢地方で織られている綿織物で、以前は木綿の一大産地で多くの織元が存在していましたが、今では臼井織布さん一社だけが製造をしています。

2009年、臼井織布さんにお邪魔しました

伊勢木綿は単糸と呼ばれる紡績した1本のままの糸を使っており、しかも切れやすい繊細な糸なので品質の良い綿でなければ生地を織ることができず、ゆっくりと時間をかけて織っていいくため、一反織り上がるのにとても時間がかかる織物です。

当時の工場の中の様子、たくさんの織機が並んでます

そんな上質な糸を使っているのでとても肌触りが良く、洗うたびに身体に馴染んでいき着心地のよい着物に育っていくのが伊勢木綿の特徴となっています。

代表的な柄

伊勢木綿の代表的な柄と言えばやはり縞や格子ではないでしょうか。特に格子はサイズは小さいものから大胆な大きなものまであり、色使いも単色のものからカラフルなものまでバリエーションが豊富です。

私が持ってる伊勢木綿はどちらかというと、縞も格子も小さめでした。

格子の大きさによっては着物に仕立てた時に色の出てくる場所が変わりますので、柄が大きければ大きいほど入念なシミュレーションが必要です。

キモノモダンの伊勢木綿サイトには柄出しについてもイラストで説明してありますのでぜひ参考にしてください。

着物の柄出しについて

他にどんな色や柄があるのか、ぜひキモノモダンのサイトでチェックしてみてください!

着る季節やシーン、コーディネート

伊勢木綿の生地の厚さはどの色、柄でもほぼ同じです。真夏以外でしたら年間通して着用できます。木綿の着物の中ではどちらかというと中〜厚地になるので、真夏の暑い時期は避けた方がよいでしょう。

着用シーンについては縞や格子はカジュアル感が出ますので、半幅帯や兵児帯などで楽しむのがオススメです。もちろん名古屋帯をコーディネートしていただいても大丈夫ですが、キラキラ艶感があるものより、ナチュラルな感じのほっこりとしたものの方がバランスがよいでしょう。

また縞や格子柄を活かすため、あえてシンプルな帯を選んでいたという方もいると思いますが、曲線を活かした柔らかい雰囲気の柄の帯などとのコーディネートもオススメです。

ベーシックなんだけど〝新しい〟伊勢木綿も

そして伊勢木綿はカラフルなものばかりではなく、縞も格子もない〝無地〟もあります。

落ち着いた色の無地なので一歩先ゆく木綿として、洋服感覚で着用したい方や男性にもオススメ!

着物が無地になると大胆な柄との相性も抜群!無地の伊勢木綿にはぜひ柄物の帯にチャレンジしていただきたいです。

また無地の伊勢木綿の場合だとかしこまった感じになりますので、お太鼓などするといっきにきっちり感が出ますよ。

お手入れは?

お洗濯は通常の木綿着物と同様、手洗いもしくは洗濯ネットに入れて手洗いモードでお洗濯できます。

木綿着物のお手入れについては過去のコラムを参考にされてください。

柄を楽しむか、素材を楽しむか

縞や格子大好きさんには絶対オススメの伊勢木綿ですが、無地の伊勢木綿も要チェックですね〜。洗う度に変化する風合いを楽しんでいただければと思います!

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