<教えて!たなえり先生>#35-羽織ものの種類と季節とTPO
こんにちは、多奈ゑりきもの教室のたなえりです。今日は今からの季節の必須アイテム、羽織もののお話です。
羽織ものの種類
羽織ものの種類は大きく分けて2種類、〝コート系〟と〝羽織系〟です。見分けかたの目安は着た時に前が開いているか閉じているか。コートと呼ばれるものは着た時に前がしっかりと閉じられていて、羽織は前が開いています。
コートの中にも小分類があり、衿が四角くデザインされている〝道行(みちゆき)〟や着物の衿のようになっている〝道中着(どうちゅうぎ)、最近では洋服のコートのようにデザインされた防寒コートなど様々です。
道行や道中着のようにデザインされた雨コートもあります。(上の写真の道中着は雨コート仕様)
その点羽織は丈が長かったり短かったりが違うくらいでデザインはひとつ。前が開いていて帯が見える状態です。
コートは玄関先で脱ぐのがマナーとされていますが、羽織は室内で着用ができ、洋服のカーディガンやスーツのジャケットのような位置づけになります。
そして忘れてならないのがキモノモダンの着物カーディガン。名前のとおりカーディガンのようにささっと羽織れる便利アイテム。
ウールガーゼで軽くしわになりにくいので、脱いだらくるくるっと丸めておけるのも便利。カラーバリエーションも豊富なので、手持ちの着物にコーディネートして持っておきたい一枚です。
羽織ものの季節
次にコートや羽織ものを着る季節についてです。お住まいの地域によって気候も違いますのでまずは一般的なお話を。
羽織ものを着る季節は紅葉から桜の頃までと言われることが多く、11〜3月頃を目安に着ることができます。
11〜3月 | 4月 | 5月 | 6〜8月 | 9月 | 10月 | |
袷の羽織・コート | ○ | ○ | △ | × | △ | ○ |
単衣の羽織・コート | △ | ○ | ○ | △ | ○ | ○ |
透ける素材の羽織・コート | × | △ | ○ | ○ | ○ | △ |
防寒コート | ○ | △ | × | × | × | △ |
雨コート | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
着物カーディガン | ○(寒い日は二枚重ねがオススメ) | ○ | △ | × | △ | ○ |
透け感のある生地のコートは〝塵よけコート〟と呼ばれ、名前の通り移動時の汚れ防止を目的として暑い時期に着るコートです。雨コートは季節を問わず通年着ることができます。
防寒コートは羽織や道行・道中着だけでは寒いような季節におすすめです。(福岡の場合は12〜2月くらい、もしくは最高気温が10℃前後を下回る時など)
また最近では薄羽織と呼ばれる透け感のある生地でできた羽織もあり、5〜9月の塵よけや冷え対策として着ることができるものもあります。
着物カーディガンはウールガーゼということもあり、ほっこりとした素材のため、真夏の時期は少し暑っくるしく感じられるかもです。真冬の時期は二枚重ねにすると防寒コート並にしっかりと寒さを防げます。二枚重ねても通常のコートよりも軽い着物カーディガンの成せる技!
羽織もの別、合わせる着物
コート類は着物の種類を問わずどのような着物にも合わせることができますが、羽織はカジュアルの着物に合わせるのが基本です。
また前述のとおり、玄関先で脱ぐのがマナーになりますので、着物カーディガンをフォーマルで着用する際には移動時のみに着用されることをオススメします。
フォーマル・セミフォーマル | カジュアル | |
道行きコート・道中着 | ○ | ○ |
防寒コート | ○ | ○ |
雨コート | ○ | ○ |
羽織(※紋付き黒羽織は除く) | × | ○ |
着物カーディガン | △(移動時のみであれば○) | ○ |
紋付きの黒羽織はフォーマルの着物にも着用することができ、色無地や江戸小紋、小紋に羽織ることによって略式フォーマル扱いとなります。
着物カーディガンのフル活用方法
着物カーディガンはストールクリップなどを使って羽織風にも着ることができますが、前をしっかり閉じてピンやブローチ、スカーフ留めを使うとコートのように着ることもできます。
使用したアクセサリーがこちら
ここ数年、秋〜冬〜春を着物カーディガンだけで乗り切っている私的オススメは、濃い色(秋冬向け)と薄い色(春先向け)の2色買い。秋口は濃い色を一枚で着て、寒くなってきたら二枚重ね、春先になると薄い色を外に二枚重ね、そして春になったら薄い色を一枚で着るという方法です。
着物カーディガンについて熱く語っているコラムやインスタライブがこちら!ぜひご覧ください。
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