<教えて!たなえり先生>#29-着物の中身の暑さ対策

こんにちは、多奈ゑりきもの教室のたなえりです。6月に入り本格的な夏が始まりました。今日はこれから暑さに向けて着物の中身(襦袢や下着)の選びかたについてのお話です。

いろいろな方法がありますが、どの方法だったら出来そうか?自分に合っているか?想像しながら読んでみてくださいね〜。

①中身の枚数を少なくしてみる

これが一番分かりやすい対策!(笑)どんな素材であれ、重ね着をすればそれだけ熱がこもりやすいので、身に付ける枚数を減らすというのもひとつの対策。

しかし着物の場合、下着をつけて、襦袢を着て、着物という行程は省けないので、そんな時は下着と襦袢を兼用できるオシャレ半襦袢がとても便利。

オシャレ半襦袢

下着と兼用となるとお洗濯も毎回したいところ。そうなると半衿の付け替えが…と心配になりますが、キモノモダンのオシャレ半襦袢は半衿の付け替えも不要なのでまさにベストアイテムです。

半襦袢を着た時の下は、通常裾よけなどを使うことになりますが、透け感のない着物の場合は、裾よけの変わりにステテコを履くと、太もも周りの汗の不快感も減るのでオススメです。

レース刺繍ステテコ

夏向けの薄手の天然素材ワンピ襦袢もオススメですよ。(多奈ゑり愛用中)

<ワンピ襦袢>綿麻ロリポップ

②下着や補整の素材を変えてみる

着物の下着の素材としては通気性・吸水性にすぐれた綿が主流ですが、絹や麻に比べると保水性があるので、汗をかいたまま冷房の効いた部屋に入るとひんやりしまうということも。

そんな中、昔から夏の下着としてロングセラー商品なのが〝灯芯あしべ織汗取肌着〟(通称:あしべ織り)です。

あしべ織りとは胴回りや脇部分に灯芯(ろうそくの芯に使われる天然素材)が使われており、汗の吸収力はもちろん、汗を吸ったあとのサラっと感は格別。汗っかきさんにはオススメです。

しかも胴回りに使われている灯芯部分がキルティング加工されていて少し厚みがあるので、胴回りの補整としても使え、補整を減らせるという便利アイテムなのです。

あしべ織りを使わなくても、夏の間だけ下着や補整の素材を麻や絹に変えてみるというのも快適に過ごすひとつの方法ですよ〜。

今では各メーカーから吸湿・速乾をうたった優秀なポリエステルの下着や補整具も出てますので、ご自分の肌に合ったものを選んでみてください。

【番外編】

足もとを麻足袋やレースの足袋ソックスに変えるだけで足周りが涼しくなりますよ〜。

③洋服用の下着をフル活用!

普段着の着物の下は着物専用の下着でなくても、今では前述のような高性能の素材や機能的な洋服用の下着もたくさんあるので、それを使うのも暑さ対策のひとつ。

例えば上は汗取りパッド付きのタンクトップ、下はロングタイプのペチパンツなど、どちらも下着の代わりに使えます。ゆかたの下はこれで十分!

ロングタイプのペチパンツは、商品によってくるぶしくらいまで長さがあるので、しっかりと裾よけの機能を果たしてくれます。

普通丈のステテコとロングタイプのペチパンツの比較

上の写真は股下寸法を比較してますが、通常のステテコより10cmほど長くなってます。

ただ、洋服用のペチパンツはシルエットがゆったりめに仕上がっているものが多いので、選ぶ時に可能な範囲でワンサイズ小さめのものを選んだり、着物やゆかたを着る時に、裾が広がらないように巻くのがポイントです。

着る時の事前準備

暑い時期こそ時間の余裕を持って、道具を揃えて落ち着いて着るということもありますが、私は下着を着る前にマイクロパウダーやメントールが配合されている制汗剤をシュシュっと身体に吹きかけてから着替えるようにしています。これで-5℃体感!(笑)

長年愛用のシーブリーズ・フローズンミント

外での暑さ対策

最後に、私が出かける時にやっていること。

  • 日陰を歩く(日傘はマスト)
  • 風をよむ(扇子はマスト)

直射日光をよけ、日陰を探しながら歩くだけでもぜんぜん違いますし、風が吹けば衣紋や身八つ口から風が抜けるので暑さをしのげます。

それから「保冷材を忍ばせて」という対策もありますが、私はキンキンに凍らせたお茶やお水を持っていくようにしてます。

暑くなるとなかなか「着物を着よう!」と気持ちが向かなくなりますが、逆にこの時期にしか着ることができないゆかたを楽しむのもオススメです。(この期間、私はほぼゆかた+足袋で着物風に…というスタイルでしのいでます。www)

ぜひやれることから実践してみてくださいね〜。

ワンピ襦袢やあしべ織りについてのインスタライブ配信をInstagramのIGTVにアーカイブしています。ぜひチェックしてみてください!

ワンピ襦袢検証
あしべ織り汗取りについて

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