<教えて!たなえり先生>#65-卒業式・入学式のコーデポイント
こんにちは、多奈ゑりきもの教室のたなえりです。今からの季節、卒業式や入学式などご家族のイベントで着物を着る機会が増える方も多いと思います。今回は着物や帯、小物の選びかたからコーデのポイントなどのお話です。
基本の基、着物と帯の考えかた
まずはおさらい、卒業式や入学式でどのような着物・帯を選ぶべきかの話。もし洋服で出席するとしたらどのような服を選ぶか考えてみましょう。
以前のコラムにも登場した洋服と着物のざっくりとした相対表です。
ワンピース | 小紋 |
スーツ・上品なセットアップ | 江戸小紋 |
スーツ | 色無地 |
落ち着いたドレス・ツーピース | 附下 |
華やかなドレス | 訪問着 |
小紋を選ぶ場合、柄がぎっしりとはいっているものより、無地場の多い飛び柄の小紋などを選ぶとより上品で落ち着いた装いとなるでしょう。
着物を選ぶことができたら、自ずと帯も決まります。おそらく名古屋帯がメインになると思いますが、名古屋帯とひとことで言ってもキラキラした袋帯のように見える名古屋帯から、ざっくりとした紬糸で織られたカジュアルな名古屋帯もあります。
また、最近では兵児帯という選択肢もあります。上品な色柄で生地がしっかりしていて、二重太鼓ができる長さがある兵児帯であれば、お太鼓結びをすることによって名古屋帯のように使えます。
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小物の選びかた
次に小物の選びかたです。まず半衿は基本白、もしくは白っぽく見えるものがよいでしょう。正絹でなくても白ベースであればOKですが、光沢のある着物の時は同様に光沢のある正絹の方がバランスがよい場合もあります。
帯揚、帯締などは差し色を使うより、同系色でまとめると上品さがアップ!(履物も同様)
帯留などを使ったコーデもOKですがきちんと感を演出するため、これを機に「冠組(ゆるぎぐみ)」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
冠組はカジュアルからセミフォーマルまで使えて、しかも通年使える帯締。持っておくととても便利な帯締です。
バッグはフォーマル専用で準備すると小ささゆえに荷物が入らなかったり、その後の登場機会も少ないと思われるので、せっかく準備するのであれば普段にも使えるものがオススメです!
<博多織バッグ>チューリップ
羽織はどう使う?
最後に羽織の考えかたについてです。
羽織は昭和の時代、小紋や江戸小紋の上から黒い紋入りの羽織を着用して略式の礼装扱いとして着ていた背景がありますが、それ以外の羽織は基本カジュアルの時に着用するものと心得ておいてください。(したがって準礼装や略式の礼装である訪問着や附下に羽織を着用することは基本ありません。)
しかし現代において、羽織は洋服で言うところのジャケットのような扱いになりますので、卒業式や入学式の時に黒い紋入りの羽織でなくても、色や柄によっては小紋や無地に着用しても問題ないかと思います。キモノモダンの新作の羽織もぜひチェックしてくださいね!
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