<教えて!たなえり先生>#57-酷暑を乗り切る!着物を極限まで涼しく着る方法
こんにちは、多奈ゑりきもの教室のたなえりです。お盆を過ぎても台風が過ぎてもいっこうに涼しくなる気配のない今年の夏…。私個人の感覚ですが、毎年暑い日(特に35度近くの猛暑日)が増えていっているように感じます。
特に今年は天気予報で最高気温35度前後は日常になってますし、まだまだ9月もこの暑さが続きそうです。
そうは言っても着物の季節のルールは待ってくれません。残暑厳しい今から着物を極限まで涼しく着る多奈ゑり的Tipsをご紹介します。
まずはおさらい
今回のコラムを書くにあたって過去のコラムを見直したのですが、基本的な考えかたは今も変わりません。まず手っ取り早くできることはこちら。
以前は主に着物の中身のことについてお話していますが、今回はさらに掘り下げてみたいと思います。
①涼しい補整
ウエストや腰周りに補整をしている方は補整の素材を見直すのもひとつの方法です。綿100%のタオルは汗は吸ってくれますが乾きが遅く熱がこもりがち、汗疹の原因にもなります。
私が最近使っているのはこちらのメッシュタイプの補整「コーリン メッシュ補整じめ」。メッシュタイプなのにしっかりと厚みがあり補整の役目を充分果たしてくれます。
ウエスト全体に補整が不要の場合は、腰だけの「コーリン メッシュ腰ぶとん」というものもあります。
それでも暑い日には脱・補整を実践!補整をしない代わりにあしべ織りを着てました。
あしべ織りの詳細は前述のコラム「着物の中身の暑さ対策」を参照ください!
②涼しい着付道具
どうしてもウエスト周りは布を巻く回数が多くなってしまうので、着付道具もなるべく通気性のある涼しい素材を選ぶことをオススメします。
帯板は既存のメッシュ帯板などがありますが、メッシュよりもよりしっかりとした簾(すだれ)帯板なるものも発売されてますのでぜひチェックしてみてください。(ちなみに私はメッシュの帯板を通年使ってます。)
伊達締めもゴムタイプのメッシュ素材のものもありますが、博多織の伊達締めにも“紗”の伊達締めがあります。
博多織の紗の伊達締めはちょっとお値段は高めですが、伊達締めは博多織じゃなきゃ…っていう方にぜひ使って欲しい伊達締めです。
その他にもメッシュのウエストベルトやコーリンベルト、ヘチマ素材の帯枕や帯板などもあります。
あと、ゆかたの時に衿芯を使いたいならメッシュの衿芯がオススメです。
襦袢には通しにくいメッシュの衿芯ですが、ゆかたの時は掛け衿の幅が広くメッシュの衿芯でも比較的通しやすくほどよい硬さなので、ゆかたに衿芯を使っている方はぜひお試しください!
③涼しい帯
帯板や伊達締めの通気性が良くても、帯に通気性がなければやはり熱がこもります。なので夏場は特に穴の大きく開いた紗や羅の帯がオススメ!
これくらい穴が開いていると見た目にも着てても涼しいですよ〜!
しかし、透け感のある夏帯(特に穴の大きい羅の帯)は(地域にもよりますが)9月上旬くらいまでが締め時ですので、9月になってからは少し秋を意識したコーデを!
④素材を選ぶ
夏用の着物や襦袢、下着の素材としては綿麻や麻などがオススメですが、最近では新素材や高機能ポリエステルも侮れないところです。
着物であればセオαですが、最近では織りかたの種類も増え、いろいろなタイプのセオα商品が販売されています。ちなみに私は絽のセオαを持っているのですが最強に涼しいです。
そして襦袢の素材として多く見かけるようになった「爽竹(そうたけ)」。こちらも最近では白以外のきれいな色やかわいい柄のものも増え、夏の襦袢の概念が変わりつつあります。爽竹には絽目がないものもあるので、そのような襦袢であれば春から秋まで長く着ることができます。
下着では吸湿速乾機能のすぐれたUNIQLOのエアリズムなど、和装時でも使える下着もありますので、お好みで取り入れてみてはいかがでしょうか?