<教えて!たなえり先生>#49-久留米絣を徹底解説

こんにちは、多奈ゑりきもの教室のたなえりです。今日は伝統的な柄からモダンな柄まで、バリエーション豊富な久留米絣のお話です。

久留米絣とは

久留米絣とは福岡県の南部・久留米地方を中心として製造されている先染めの綿織物です。糸の段階で括って染めて、染め分けされた縦と横の糸を重ねることによってできる絣紋様は、人の手のぬくもりを感じることができる着物です。

糸の準備の様子

1976年に経済産業大臣指定の伝統的工芸品に指定された久留米絣。以前は洋服地として作られているものも多かったのですが、近年の木綿着物のブームにより今では着物用の反物も多く作られています。

久留米絣の工房の様子
ゆっくりと織られていく久留米絣

久留米絣には伝統的な藍染めもあります。

藍のかめ

代表的な柄

久留米絣の代表的な柄といえば、たてとよこの絣で表現される井桁絣や十字絣です。

今では伝統的なデザインはもちろん、アレンジされた紋様や絣ではめずらしい曲線の柄などもたくさんあります。

同じたてとよこの色の重なりなのですが、洗練された雰囲気も柄もあります。

絣で表現されたお花はにじんだようなあたたかみのあるやさしい雰囲気。まるでコットンのワンピースを纏っているよう。

その他の柄もキモノモダンのサイトでぜひチェックしてみてください。

キモノモダンセレクトの久留米絣

着る季節やシーン、コーディネート

久留米絣は厚地のものから〝夏久留米〟とよばれる薄地のものまでバリエーションが豊富なのも特徴です。厚地や中厚地のものであれば真夏以外の3シーズン、〝夏久留米〟であれば真冬以外の3シーズンを目安に着用できます。

様々な柄がある久留米絣。柄のサイズや無地場の多さによって合わせる帯のバリエーションも豊富です。大きな柄を気軽にカジュアルで着こなすのであれば半幅帯や兵児帯がおすすめですが、柄が小さめの十字絣などであれば、名古屋帯をコーディネートすることによって、きっちりとした印象に仕上がります。

私の久留米絣コレクションはこちら、ドットとピンストライプです。どちらも半幅帯をコーディネート。

そう言えば昔、久留米絣+半幅帯で京都旅行にも行きました。

久留米絣のコーディネートは圧倒的に半幅帯が多いですが、数少ない名古屋帯とのコーディネートはこちら。

お手入れは?

お洗濯は通常の木綿着物と同様、手洗いもしくは洗濯ネットに入れて手洗いモードでお洗濯できます。

木綿着物のお手入れについては過去のコラムを参考にされてください。

まとめ

日本の三大絣産地のひとつでもあり、伝統的な柄から洗練された現代風の柄まで、いろいろな雰囲気が楽しめる久留米絣。ふんわりとした温かみのある肌触りも特徴ですので、ぜひお試しください!

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