<教えて!たなえり先生>#48-袷と単衣の着物の選びかた

こんにちは、多奈ゑりきもの教室のたなえりです。今日は4月から5月にかけて着る着物の選びかたや快適に過ごす方法などのお話です。

基本のルール

まずは一般的なルールのお話から。季節によって〝袷(あわせ)〟〝単衣(ひとえ)〟〝薄物(うすもの)〟を着分けていきますが、全国的なルールとしては4・5月は袷を着る季節となります。

縦に長い日本は地域ごとのローカルルールも存在します。例えば私の住んでいる福岡は、5月の博多どんたく(5月3、4日に開催されるお祭り)が過ぎたら単衣OK、放生会(9月12〜18日に開催される筥崎八幡宮のお祭り)から単衣を着始めると言われています。(どんたくも放生会も博多祇園山笠と並んで博多三大まつりと言われています。)

袷の着物は裏地がついており主に寒い時期に着る着物ですが、近年の温暖化によりここ数年の4月は20度越えが当たり前、5月ともなると夏日(25度以上)や真夏日(30度以上)なんていう日も。そうなるとなかなか裏地が付いている着物には手が伸びなくなりますよね。

昔のルールのままだと快適にお出かけなんてできなくなるので、比較的自由度の高いカジュアル着物の時は、その日の気温で袷 or 単衣を選ぶことをオススメします。

4月に着る単衣、5月に着る単衣

大前提として前述の季節のルールを考えますが、次にチェックするのはお出かけの日の天気予報です。人によって気温の感じ方は違いますが、暑がりの私は3月くらいから最高気温が18度以下なら袷、それ以上なら単衣を選んでいます。(寒がりさんは最高気温23度前後を目安にされてもいいかもですね。)

また4月に着る単衣と5月に着る単衣は生地の厚さなど変えるのもポイントです。4月はまだ空気が乾燥していて朝晩などはひんやりすることも多いので、正絹や木綿、ポリエステルの単衣などを選ぶことが多いですが、5月になるとだんだんと蒸し暑さも出てきます。そうなるとリネンや綿麻、レースやセオαなど(もともとセオαはゆかたとして作られたものが多いですが、最近ではゆかた感のないセオαの着物もいろいろ販売されています。)軽めの素材で少し透け感があるものなどが着やすかったりします。

【調整①】襦袢で微調整

さらに細かい調整ができるのが襦袢です。着物と襦袢の種類(袷・単衣・薄物)を必ずしも合わせないといけないというわけではないので、袷の着物を着ても襦袢は単衣など〝ひとつずらし〟で微調整するのもアリです。

そうは言っても春先に絽目のある襦袢はちょっと…と思われる方は、キモノモダンのワンピ襦袢のように薄手の素材のものや、絽目のない麻や爽竹の襦袢なども快適に過ごせます。

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キモノモダンのワンピ襦袢

例えば下の写真のように同じ爽竹であっても左のように絽目がしっかりと見えるものは夏らしくなってしまいますが、右のタイプ(縦絽という商品名で販売されているケースが多いですが、絽のように穴は開いてません。)であれば春先から秋まで長く着ることができます。

【調整②】羽織で微調整

朝晩と日中の気温差がある時は薄羽織がオススメ。薄羽織は厚すぎず薄すぎず4〜5月の寒さ対策はもちろん、急な雨からも着物や帯を守ってくれます。暑くなったら畳んでコンパクトにバッグにも収納できてしわにもなりにくい、まさに万能アイテム!

薄羽織-Germany garden

まとめ

微調整をざっくりまとめるとこんな感じです。

これ以外にも肌着(下着)の素材などを変えるとさらに細かく調整できます。

季節の変わり目は着る物の選びかたに悩まされがちですが、まず自分の快適ポイントを見つけてそれに合わせて袷や単衣の着物を選んでみてください。

初秋の着物の選びかたについてはこちらの記事を参考にしてくださいね〜!

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