<教えて!たなえり先生>#44-米沢木綿「めんこっとん」を徹底解説
こんにちは、多奈ゑりきもの教室のたなえりです。今日はカジュアル着物の代表でもある木綿着物の中でも人気の〝めんこっとん〟を徹底解説します。
めんこっとんとは
めんこっとんの産地は山形県米沢。〝KIPPE(きっぺ)〟という木綿着物の名前を聞いたことがある方もいると思います。
KIPPEはカラフルなカラーバリエーションにストライプ模様のすっきりとしたシンプルな着物ですが、めんこっとんはそのKIPPEの仲間のひとつ。通常木綿着物は平織りのものが多いのですが、紋(MON)KIPPEと書かれているように紋織りの木綿着物になります。
米沢地方の方言で「かわいい」という意味の〝めんこ〟と〝こっとん〟が名前の由来となっています。
では、今までのKIPPEと何が違うのか?ズバリ、風合いです。
KIPPEの手軽さはそのままに、地紋があることによって感じられる立体感と光沢。木綿特有のもたつきものなく、しなやかで紬の着物のような風合いのある生地なのです。
柄は2種類、色は無限大
めんこっとんにはダイヤとヘリンボーンの2種類の柄(地紋)があります。より光沢が感じられるのはダイヤ、ヘリンボーンはダイヤに比べて少しマットな印象でヘリンボーンの柄もあまりはっきりと見えないので、無地の紬のような印象になります。(生地の厚さなど大きな違いはありません。)
クリアな色からグレイッシュな色、暖色から寒色まで、色のバリエーションが豊富なのもめんこっとんの人気のひとつ。ヘリンボーンは角度によって玉虫色のように色が変わって見えるものもあります。
着る季節やシーン、コーディネート
生地はKIPPEと同じくらいの厚さなので、真夏以外でしたら年間通して着用できます。木綿の着物の中ではそこまで厚地ではないのですが目が詰まっていて風は通らないので、真夏の暑い時期は少し暑いかもしれません。寒がりさんが真冬に着る場合はしっかり寒さ対策してくださいね。
まためんこっとんは木綿着物なので基本的にはカジュアルシーンでの着用となりますが、柄が細かく光沢もあるので無地の着物の感覚で着られ、他産地の縞や格子・絣の木綿着物より少しかしこまった印象になるかと思います。
半幅帯や兵児帯を合わせるのはもちろん、名古屋帯でお太鼓結びや角出しなどのコーディネートもばっちり合います。木綿着物と小紋や紬のちょうど中間的な位置づけで着用できる着物だと言えるでしょう。
お手入れは?
お洗濯は通常の木綿着物と同様、手洗いもしくは洗濯ネットに入れて手洗いモードでお洗濯できます。
木綿着物のお手入れについては過去のコラムを参考にされてください。
無地感がある分、しわが気になることもあると思うので、半乾きの時に軽くアイロンをかけてあげるとよりしわが軽減されますよ。
色と柄の組み合わせは〝出逢い〟
柄は前述のように2種類(ダイヤとヘリンボーン)ですが、微妙な色の見え方の違いがめんこっとんの特徴でもあります。また、ダイヤは小紋のようなかわいらしさがあり、ヘリンボーンは紬のようなかっこよさがあります。
色のバリエーションも豊富なので、色と柄の組み合わせによっては〝一点もの〟の感覚で選べるのもめんこっとんの魅力ではないでしょうか?
キモノモダンセレクトのめんこっとんたち、お気に入りの一枚をぜひ見つけてください!