<教えて!たなえり先生>#41-着物の〝格〟について

こんにちは、多奈ゑりきもの教室のたなえりです。いよいよ今年も残すところわずかですね。年末年始は着物を着る絶好のチャンス!今日は初詣や新年のご挨拶、お友達との新年会など、シチュエーションに合わせた着物の選びかたのお話です。

着物の種類

昭和の時代までは着物を着る人や機会が多かったので、シーンに応じて着る着物が明確でしたが、平成〜令和になり、着物の種類や着かたが多様化してきてある意味自由になったと言えます。まずは着物の種類と格についておさらいしておきましょう。(以前のコラム「かしこまったシーンで着る着物」も参考にしてください。)

分類名称合わせる帯
正礼装(フォーマル)黒留袖・振袖礼装袋帯
色留袖(五つ紋)礼装袋帯
色無地(五つ紋)礼装袋帯
準礼装(セミフォーマル)色留袖(三つ紋)礼装袋帯
色無地(三つ紋)礼装袋帯
訪問着礼装袋帯
略礼装附下礼装袋帯・洒落袋帯・名古屋帯
色無地(一つ紋)礼装袋帯・洒落袋帯・名古屋帯
江戸小紋【鮫・角通し・行儀】(一つ紋)礼装袋帯・洒落袋帯・名古屋帯
カジュアル小紋洒落袋帯・名古屋帯・半幅帯
洒落袋帯・名古屋帯・半幅帯
木綿・ウール名古屋帯・半幅帯

新年の着物① 初詣

〝ハレ着〟という言葉を聞いたことがあると思います。ハレ着=振袖をイメージする方もいるかもしれませんが、ハレ着とは晴れやかな日に着るもののことで、人生の節目や一年の節目など、日常とは違う特別な日に着るもののことをさします。

人生の節目のイベントなどは基本的にフォーマル・セミフォーマルの着物を着用することが多いですが、一年の節目の場合は必ずしもフォーマル・セミフォーマルの着物でなければならないというわけではありません。カジュアルの着物の代表でもある小紋にもハレの日によく合う柄のものもありますし、普段着るのには少しかしこまったような着物やはんなり柄の小紋を着るのにも絶好のチャンスです。

過去の初詣の着物もはんなり系の小紋や無地感の着物が多数。特に淡い色目の着物はハレ着感が出るので初詣にはオススメです。

そして登場機会の多い通称〝お正月帯〟と呼んでいる染めの縁起物の柄の帯、この帯を使って毎年どのようなコーデをするのか考えるのも楽しみのひとつとなってます。

新年の着物② 新年のご挨拶

初詣を兼ねてお世話になっているお店へ新年のご挨拶に行った時のコーデ。華やぎ感を出すために附下に縁起物の染め帯をコーディネートしています。略礼装の着物には袋帯をコーディネートすることができますが、ここはあえてカジュアルすぎない名古屋帯をコーディネートしています。(2枚目の写真も織りの名古屋帯です。)

附下は小紋に比べてフォーマル感が出ますので、目上の方へのご挨拶などにもぴったりです。

新年の着物③ 同窓会

新年に開催された同窓会のコーデ。洋服の人が多いことを考え、肩ひじを張らず洋服の中でも馴染みやすいグレーの江戸小紋に洒落袋帯をコーディネートしました。

グレイッシュな色目の小紋なども洋服にも馴染みやすいのでオススメですよ〜。

新年の着物④ お友達と新年会

新年会のお出かけは、ふだんなかなか着ないような少し派手目の色無地にアンティーク調の袋帯をコーデ。

一見ノーマルな色無地と袋帯のようなコーディネートに見えますが、実は下半身は見せる裾よけ「ホムシュヘム」を着用しています。

というわけで、ここまで登場してきた着物はほぼ略礼装〜きれいめ小紋の着物ばかり。令和の時代のハレ着はこの辺の着物が着やすいのかもしれませんね。

今回のコラムを書くにあたり、昔の写真をいっぱい掲載しましたが、こうしてみると人に歴史アリですね。(笑)メイクもヘアスタイルも年代ごとに違いますが、着物の好みやコーディネートは一貫しているようです。皆さんもぜひ新年に着物を着てお出かけしてくださいね〜!

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