<教えて!たなえり先生>#36-下駄と草履の基本と使い分けかた
こんにちは、多奈ゑりきもの教室のたなえりです。今日は足もとのおしゃれ、下駄と草履のお話です。
履物のパーツの名称
下駄や草履と呼ばれる履物は「鼻緒」と「台」で構成されています。
さらに細かい名称はこちら。
鼻緒の内側を「うけ」、指の股の部分を「先つぼ(前つぼ)」
草履の台の横の部分を「巻き」といいます。
下駄と草履の違い
下駄と草履の簡単な見分け方は、すばり足をのせる台の部分。
木でできている場合は下駄、中がコルク(もしくはそれに代わる柔らかい素材)でできているものが草履になります。
下駄は台の部分が塗りや彫りで加工されているもの、天の部分にクッション加工がされているものなどがあります。また木の部分のカットによって右近や舟形、後丸や駒下駄などの名称があります。
<進化系草履>カレンブロッソ‐カフェぞうり
そして近年の進化系履物、菱屋カレンブロッソの「カフェぞうり」
カフェぞうりとは、草履の台の部分がEVA素材と呼ばれる合成樹脂でできており、軽量でクッション性に優れ、滑りにくいという特徴からサンダルなどに多く使われてきた素材で、それを草履に採用した履物になります。
またかかとの部分が跳ね上げ防止の斜めカットになっているのも特徴です。
<きちんと見えの鍵>履物のTPO
下駄はゆかたなどにコーディネートすることが多いので夏の履物のイメージが強いですが、実は通年履ける普段着用の履物です。(小紋、紬、木綿、ゆかたなどにコーディネートすることができます。)
草履は台の高さや鼻緒の色や素材によってフォーマル向け、カジュアル向けに分類されます。
フォーマル | セミフォーマル | カジュアル | |
下駄 | × | × | ○ |
草履 | ○ | ○ | ○ |
カフェぞうり | × | △(鼻緒や台の色による) | ○ |
フォーマル向けの草履は、台や鼻緒がエナメルやキラッとした素材で、金・銀・パールのような色が好ましいです。ハッキリした色や柄の台や鼻緒は、カジュアルな印象になるので、フォーマル・セミフォーマルシーンで履くには注意が必要です。
台の高さが高くなると、フォーマル度も高くなります。
しかし、最近はカジュアルの時であっても、オシャレのひとつとして高めの台を履く方も多くなっています。
また、前述のカフェぞうりも以前は普段着用とされていましたが、最近ではエナメル素材などのカフェ草履(fシリーズ)もあり、色や素材によってはセミフォーマルシーンでも履くことができます。
<雨でも雪でも、諦めない!>雨草履・防寒草履
雨対策として多いのは、ノーマルな草履の上に後付けで被せて浸水を防ぐ、草履用のビニールカバー。
でもせっかくのおでかけの日、雨でどんより、雪でツルっと危ない・・・
そんなときは、防水&防寒の草履を。
草履の底は水に濡れても大丈夫&しっかりゴムのギザギザが付いているので、滑りやすい雨や雪の日も安心。
さらにつま先のカバーで、寒い日もほっこり暖か。
こちらも、セミフォーマルシーンでは光沢感のある台や、パールのような淡い色などを選びましょう。
サイズの選びかた
最後に履物のサイズの選びかたについて。
履物に足を入れた時、先つぼに指の股の部分があたるまで入ったら、それは鼻緒が緩いということなので要注意!鼻緒が緩いと足をくじきやすくなったり、歩く時に変なところに力を入れないといけなくなるので、ケガや疲れる原因になります。
また、足が奥まで入ると本来は台から出ない指も台から出てしまうので(写真では中指や親指)これもケガの原因となります。
(わかりやすいよう素足をさらしております。何卒ご了承ください。www)
かかとは台から少し出るくらいがオススメです。
(どれくらい出るかはお好みでもありますが)かかとが出ないと着物の裾を踏むことになりますので、少しでもよいので出るサイズのものを選びましょう。
足に合った履物だと疲れにくくお出かけも楽しくなりますので、ぜひ自分の足にあった快適な履物をお選びください!