<教えて!たなえり先生>#31-伊勢木綿のお手入れ方法
こんにちは、多奈ゑりきもの教室のたなえりです。着物のメンテナンスって大変そう…と思っている方も多いと思いますが、コツさえつかめば木綿、綿麻、ポリエステルの着物はお家でお洗濯ができます。今日は伊勢木綿のお手入れ方法のお話です。
①汚れをチェック
まずはじめに、お手持ちの伊勢木綿が仕立てる前に水通しされたものかどうか必ず確認してください。水通しされていないものだと大きく縮む可能性があります。(昔、10cmくらい縮んだ経験有り…)もし水通しされてない時はドライクリーニングをオススメします。
水通しされている着物でしたらお家でお洗濯できます。まず着物が汚れている部分をくまなくチェックします。汚れやすい場所は、衿、袖口(裏側)、裾(後ろ側)、上前の胸や太もも分(食べこぼし等)です。
衿や袖口などの皮脂汚れ、上前の食べこぼしのシミなどは全体を洗う前に予洗いをします。(いきなり全体を洗っても汚れが残る可能性大!)
予洗いは汚れ部分に洗剤をつけ、かるくつまみ洗いをしてください。私は洗濯石けんを使うことが多いです。
裾の後ろは泥はねなどをしやすい場所。泥などがついている場合は、乾いた状態で泥などを落とすと落ちやすいですよ。
②畳んで洗濯ネットに入れる
予洗いが終わったら、着物を袖だたみにして(本だたみより袖だたみがオススメ)汚れている部分がなるべく外側になるように畳みます。
この時着物専用の洗濯ネットはもちろんですが、スラックス用のネット、四角いネットでも代用できます。
たかはしきもの工房の「せんたく姫」やスラックス用のネットの使い方は <教えて!たなえり先生>#13-おうちでゆかたを洗ってみよう!簡単ホームクリーニングのススメ をご参照ください。
四角い洗濯ネットの場合はなるべくぴったりサイズを選ぶと、中で着物が動かずシワを最小限におさえることができます。
せんたく姫やスラックス用のネットは袖だたみよりも本たたみの方がきれいに収納できるので、そこは臨機応変に。
③洗剤の選び方
洗剤は「おしゃれ着用洗剤」と呼ばれる洗剤(エマールやアクロンなど)を使用すると布地への負担も少なく、色あせも防いでくれます。
洗剤の種類にとっては柔軟剤入りやシワを軽減してくれるものなどもありますので、お好みで選んでください。
④洗濯モードはおしゃれ着orしわ抑えモード
手洗いの場合はそのまま洗い桶で押し洗いで洗ってください。洗濯機のモードは脱水時間が少なめのおしゃれ着orしわ抑えモードを選択します。
手洗いの場合も脱水だけ洗濯機を使うと便利です。その際も脱水は1分以内(できれば30秒くらい)で設定してくださいね。
せんたく姫やスラックス用ネットは中まで水(洗剤)がしみ込みにくいので、一度水に浸してから洗濯機に入れることをオススメします。
糊付けをしたい場合は、最後のすすぎの時に糊を入れるか、乾かす前にスプレータイプの糊を使用してください。
⑤着物ハンガーに陰干しで
洗濯ネットから取り出したら、まずは軽くパンパンと生地を叩いてシワをとってください。脱水が30秒くらいだとかなりべちゃべちゃした感じになると思いますが、その重みでシワが伸びますのでそのまま干して大丈夫です。
着物ハンガーに掛けたらもう一度タテ、ヨコに布地を引いてシワを伸ばします。
干す場所は室内の風通しのよい場所がオススメ!風の通る日を選んで洗濯してくださいね。
⑥完全に乾く前にアイロン掛け
着物が完全に乾く前にアイロンをかけるとシワがとれやすくきれいに仕上がります。アイロン掛けで完全に乾かしてしまう必要はないので、アイロンを掛けた後まだ少し湿っているようでしたら、もう一度着物ハンガーに掛けて完全に乾かしてください。
アイロン掛けが苦手な方やアイロンがない方は、乾いた後畳む時にしっかりと手アイロンをかけるとシワを最小限に抑えることができます。
干す時にしっかりシワを伸ばして畳む時に手アイロンだけでもここまできれいにできます。ご参考まで!
⑦洗う頻度は?
最後に洗う頻度についてですが、特に気になる汚れやシミ等なければ、シーズン終わりにお洗濯するだけで十分です。食べこぼしのシミなどは早めにお洗濯したほうがきれいに落ちるのでお早めに。私のお洗濯の目安はシーズン中でも着物がしっとりしてきたら(笑)洗うようにしています。
空気の乾燥した風のある日にお洗濯すると、しっかり水分が飛びますのでお天気と相談しながらお洗濯してくださいね。
また、ゆかたのお洗濯も同じ方法でできますので、ぜひお家でお洗濯に挑戦してみてください!
Instagramにもホームクリーニングについてアップしてますので参考にされてください。(ゆかたのホームクリーニング)