<教えて!たなえり先生>#19-パチパチ季節の静電気対策
こんにちは。多奈ゑりきもの教室のたなえりです。空気の乾燥する季節となり、着物を着た時の静電気が気になるところ。今日はそんな着物と襦袢の素材の相性についてのお話です。
着物の素材、襦袢の素材
着物といえば「絹100%」というイメージがありますが、絹だけでなく以下のような素材があります。
- ポリエステル
- 木綿
- 麻
- ウール
同様に襦袢(主に袖や裾周り)に使われている素材も絹のイメージが強いものの、
- ポリエステル
- 木綿
- 麻
- ウール(モスリン)
など様々な素材がありますす。
素材別の帯電列
次にそれぞれの素材がどのように帯電するのかを表にしたものがこちら。素材によってプラスに帯電するもの、帯電しにくいもの、マイナスに帯電するものに分類されます。
それぞれプラス側、マイナス側に離れているものを組み合わせると静電気が起きやすくなるという仕組みです。
着物を着始めてすぐの頃、正絹の着物とポリエステルの襦袢という組み合わせで出かけたことがあるのですが、恐ろしいほど静電気が発生した記憶があります。この表を見ると絹はプラス側、ポリエステルはマイナス側にあります。
そんなこともあってポリエステルの着物や襦袢を避けていた時期もあったのですが、帯電列のことを知り、ポリエステルの着物と襦袢という組み合わせを試してみたところ、かなり静電気が軽減されました。
また、木綿や麻は帯電しにくいと言われていますが、注意したいのは素材のすべり具合。木綿と木綿の組み合わせは生地の種類によっては裾さばきが悪くなる場合もありますし、麻と絹の組み合わせは素材の硬さが違うので生地が沿いにくくなる場合もあります。
キモノモダンではポリエステル、綿麻、木綿の襦袢のお取り扱いしてますので参考にしてください。
普段着なら半襦袢+キュプラという選択肢
よく裾除けなどに使われているキュプラ(ベンベルグ)、もともとはコットンリンターと呼ばれるコットンの種の周りの産毛を利用した再生繊維なのですが、このキュプラが絹やポリエステル、もちろん木綿とも相性がいい万能繊維!
ステテコや裾除けにキュプラが使用されている商品も多いので、上はレースの半襦袢、下はキュプラの裾除けを組み合わせれば、絹やポリエステル、木綿などどの着物とも相性のよい襦袢(下着)となります。
今年の冬はぜひ静電気対策ばっちりでお出かけください!