<教えて!たなえり先生>#4-はじめの一本にオススメの博多織
こんにちは、多奈ゑりきもの教室のたなえりです。今日ははじめてのお誂えに続き、はじめの一本にオススメの「博多織」についてお話したいと思います。
帯の三大産地「博多」
締めやすくて定評のある博多織ですが、帯の三大産地のひとつでもあります。(他の二産地は群馬県・桐生と京都・西陣)その始まりは、1241年僧侶の聖一国師と博多商人の満田弥三右衛門(みつだやざえもん)が中国へ渡り、織の技術を習得して持ち帰ったのが博多織のはじまりとされています。
「帯は博多」
「帯は博多」というフレーズ、みなさん一度は耳にしたことありませんか?なぜ「帯は博多」と言われるようになったのでしょうか。博多織は他の産地の織物に比べ経糸(たていと)の数が多く、細い糸を使っています。細い経糸に数本の糸を合わせた太い緯糸(よこいと)を打ち込むことにより、独特のハリとコシが出て、締めやすく緩みにくい帯となるのです。帯を締める時の「キュッキュッ」という絹鳴りや、ほどく時の「シュルシュル」という音もその特徴のひとつです。
博多織といえば献上柄
博多織といえば献上柄がとても有名ですが、その柄は仏具である独鈷(どっこ)と華皿(はなざら)を使ってデザインされていると言われています。こうして出来たの紋様を「独鈷華皿文様」を呼んでいたのですが、筑前福岡藩主の黒田長政が徳川幕府へ着物と帯を献上するようになり「博多献上」と呼ばれるようになりました。
前述のとおり経糸の本数が多いため、経(たて)で柄を表現することが多い博多織ですが、縞以外にも大柄で大胆な紋様の帯やエレガントな柄の博多織も製作されています。
一年中活用できる“平地”の博多織
博多織の帯の中でも「平地(平織り)」と呼ばれる薄くて透けない帯は一年中締めることができるとても便利な帯。季節の合間で帯選びに悩む時や、夏の帯を持ってない!なんて時もこの“平地”の博多織があれば、季節を問わず締めることができるのです。
“平地”の代表的な柄である献上柄ですが、献上柄がどうも苦手という方には同じ“平地”でも「変わり献上」と呼ばれる献上柄以外のデザインもあります。
今回ご紹介した帯はすべて名古屋帯になりますが、博多織にはフォーマルシーンに締めることができる袋帯もあります。カジュアルからフォーマルまで楽しめる博多織の帯、ぜひ博多織の帯の締め心地を体験してみてください。
Instagramのライブ配信アーカイブ(IGTV)で博多織のお話をやってますのでぜひチェックしてみてくださいね!(Instagramのアカウントはこちら → @tanaeri_kimono)