<教えて!たなえり先生>#3- かわいい半衿をたくさん見せたい!たっぷり半衿の極意

こんにちは、多奈ゑりきもの教室のたなえりです。今回は私が着物を着始めた頃から実践しているたっぷりと半衿を出す方法についてお話したいと思います。

襦袢と着物、どっちが重要?

一番初めにチェックしておきたいのが襦袢のサイズと衿合わせの位置について。たっぷりと半衿を見せる着かたは、襦袢と着物の衿合わせの差から生まれるもの。半衿の衿合わせを開き気味に着てしまうと、そこからたっぷりと半衿を出そうとした場合、着物の衿合わせの位置はかなり下の方になってしまい、非現実的な着かたとなります。

【左】標準的な襦袢の衿合わせ 【右】開き気味の襦袢の衿合わせ(シールは咽のくぼみの位置の目安)

では、逆に襦袢の衿合わせの位置を詰め気味にして上の方で合わせるようにしてみたらどうでしょう?そうすると着物の衿合わせの可動域も広くなり、半衿の出しかたが調整できるようになります。

【左】標準的な襦袢の衿合わせ 【右】詰め気味の襦袢の衿合わせ

襦袢を制すものが衿を制す?

ここで注意したいのが襦袢のサイズについて。衿の合わせかたを自在に操るには襦袢が身体のサイズに合っているということがとても重要になります。特にサイズが小さかった場合は布が足りずに衿の角度が理想の形にならなかったり、さらに衣紋を抜こうとすると衿合わせがうまくいかないという事態に。特に長襦袢だと裾まで布がつながっているので、サイズが小さいと衿の合わせ具合に影響が出やすいため、胸にボリュームがあってしかもたっぷり半衿を目指すなら長襦袢よりも半襦袢がオススメです。

詰め気味の衿合わせの場合、長襦袢だと裾あたりになるとかなり脇の縫い目(青ライン)が前の方にきてしまう。

着物の衿合わせのコツ

一般的な衿合わせは耳の下あたりから襦袢の半衿が見え始めて、前の半衿の出かたは人さし指の第一関節分ほど(1.5〜2cm)と言われてます。しかしこれではたっぷり半衿とまではいきません。ですので、見え始める位置を少し後ろ側にしてからスタートさせます。(耳の少し後ろから)そうすると同じ襦袢の衿合わせでも、見える半衿の幅が違ってきます。

【左】標準・耳の下あたりから半衿が見え始める 【右】耳の少し後ろから半衿が見え始めるように調整
半衿が見え始めるスタートの位置が変わると、正面の半衿の幅も変わります。

半衿がだんだん見えなくなってくる!!そんな時は…

レッスンなどでよく相談を受けるのが「着ていたら襦袢の衿が無くなった!」事件。(笑)そんな時は一度冷静になって鏡をよく見て、襦袢の衿がずれているのか(開いているのか)、着物の衿がずれているのか(詰まっているのか)しっかり見極めましましょう。(それによって修正するところが変わってきます。)

もし、襦袢の衿が開いたことによって半衿が見えなくなってしまっているのであれば、襦袢の衿合わせの深さやサイズが小さいことが考えられます。逆に着物が詰まっていたら、(着物の衿合わせにコーリンベルトを使っている場合は)コーリンベルトのとめる位置とゴムの強さの問題、紐の場合でも着物のサイズ問題(サイズが大きすぎる)などが考えられますので、しっかりと原因を見つけることも大切です。

かわいい半衿をたっぷりと見せる着かた、ぜひチャレンジしてみてください!(半衿たっぷりレッスンも随時受付中でーす。)