意外と知らない?!『羽織』のトリセツ‐上級者見えのポイント<教えて!たなえり先生#72>

こんにちは、多奈ゑりきもの教室のたなえりです。今回は一枚あると便利な羽織の基礎知識やメリットと、羽織を着る時に注意しときたいポイントのお話です。

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羽織の基礎知識

まずは羽織の基礎知識について。
羽織は着物の上に着るアウターで、前が開いている状態で着る上着です。

コートは前が閉じていて玄関先で脱ぐことがマナーとされていますが、羽織は洋服で言えばスーツのジャケットのようなもの。(カーディガンに例えられることもあります。)室内でも着用できるのが最大のポイントです。

以前は着物地で作られていて『羽裏』と呼ばれる裏地がついた袷仕様のものがほどんどでしたが、最近では洋服地で作られた裏地のついてない羽織も増えてきました。

また羽織は原則として小紋や紬、木綿やウールの着物に着用します。
(例外として紋入りの黒羽織は主に江戸小紋や色無地に合わせて略式の礼装として着る事ができます。)

羽織のメリット‐帯に自信がない時に

「帯結びが心配…」着物を着始めたばかりの頃、誰しもが経験したことだと思います。

羽織はカジュアルシーンで着ることができて部屋の中でも着たままでOK!ということは、帯結びに自信がない時など羽織を脱ぐことなく隠せると言うとてもすばらしいアイテムなのです。

羽織を着るだけで帯結びをカバーしてくれて、しかもこなれ感が出る。そんな羽織は着物、帯の次に揃えておきたいアイテムです!

種類(仕立てや生地感)によって季節を着分ける

では次に羽織は仕立や素材別でどのような種類があるのか見ていきましょう。

◆袷(羽裏がついている)

羽裏(裏地)がついているタイプは防寒着として着ることができます。昔から羽織物は「紅葉から桜の季節まで」と言われることが多いので、11〜4月上旬くらいが着用のベストシーズンとなります。着る時期の目安にしてくださいね。

◆単(透け感がなく裏地がない)

カットジャガード羽織

裏地がなくて透けないタイプは真冬と真夏以外がオススメです。(福岡なら3〜6、9〜11月くらい)

◆薄物その1(透け感はあるけど透け感少なめ)

薄羽織-Germany garden

透け感はあるけどそこまで着物の色や柄が見えないものは、単衣の時期から夏場を目安に。(福岡なら4〜10月)

薄物その2(透け感多め)

薄羽織ー漆黒の魅惑的なドレープと透け感ーアラベスク

透け感が多めのものは暑い時期に着ると涼しげに見えます。(5〜9月)

着る時期についてはひとつの目安ですので、お住まいの地域やご自身の体感に合わせて選んでみてください。

羽織を着る(はおる)時はここに注意!

まずは羽織の着かた(はおりかた)から畳みかたまで、一連の動作を動画にまとめてみましたのでご覧ください。

①羽織る時は肩から

羽織を着る時は着物や襦袢を着る時と同じように、まずは肩にかけてから袖を通すと所作も美しくスムーズに着ることができます。

②衿を半分に折る

初めて羽織を着るかたはここに注意!襦袢や着物にない行程ですので、忘れずに!

③羽織紐の結びかた

羽織紐の結びかたは帯締の結びかたと同じです。

④お出掛け先で簡単に畳む方法

羽織を脱いでささっと簡単にたたむとシワにならず、所作にもこなれ感がでます。

・左右の肩山、袖を合わせて、左右対称になるように半分に畳む。

・袖と身頃が重なり長方形になるように、袖付けで折り返して畳む(写真参照)

・あとはお好みの大きさになるように畳んでいきます。

⑤椅子に座る時は裾に注意

椅子に座る時や正座をする時などは基本羽織の裾は後ろにはらって座りますが、電車やバスなどの狭い空間の場合はそのまま座っても大丈夫です。(あまり裾を広げると他の方のご迷惑になりますので…)劇場などでは羽織を脱いだ方がスマートかも。

▼こちらのコラムも参考にしてください。


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